四方山話ある親方の呟き
四方山話ある親方の呟き
九話
師匠と弟子
さて親方には部屋を運営する『師匠』と部屋を持たない『部屋付き親方』と二種類に分かれます。
今回は師匠について。
現在大相撲には40ちょっとの『部屋』があり、それぞれ出羽海、二所ノ関、高砂、時津風、伊勢ヶ浜と5つの一門と呼ばれる派閥に分けられます。 師匠については、自分が独立して0から立ち上げる場合と、継承して受け継がれた部屋がありますがそれぞれ苦労はあります。 しかし自分がスカウトして育て上げ力士が強くなるのは共通の喜びであり、今までの苦労が報われる瞬間です。
落語の師匠なんかはその人に憧れて入門するようですが、相撲部屋の場合は師匠は『お父さん』みたいな存在で、 それこそ四股の踏み方、着物のたたみ方、挨拶や掃除洗濯など人間形成を大切にします。 師匠も40人いると40通りの育成方法や人間性もありますが、部屋は家族です。これは大相撲の根幹です。 体ひとつから一人前に育てる。世の中のはみ出し者だったかも知れなくても厳しい稽古に耐え一人前になっていく。
自分1人で強くなることは到底できません。 兄弟子、ライバル、後援会、女将さん・・・いろんな支えがあります。 そして番付が上がれば上がるほど本人は努力し、若い衆を鍛えて引退するまで『修行』は続きます。 そうして1人前の関取として頑張ったら親方の道も開けて行くものです。
親方の名跡は105と決まってるので誰かが辞めないと継ぐ事は出来ませんので、タイミングもあるでしょう。 しかし現役中は一生懸命に相撲に取り組む事で、師匠や一門内でそういう話も自ずとやってきます。 結局は普段が大切で、親方になりたくてもなれないより、親方になってもらいたい力士になることが重要です。 引退した人生の方が長いんですからね。名選手名監督に有らず。確かに現役時代の名声は大きな影響がありますが、 強い弟子を育てる事により協会の地位を高めた親方もたくさんいます。
広い視野と『お米』を使って常に情報収集する、どこの世界でも通じるんではないでしょうか。