四方山話
四方山話
ある親方の呟き7
大相撲の1年
ずっとずっと遠い昔『1年を10日で過ごすいい男』とは本場所の概念がない時代の話ですが、昭和30年代になると九州場所、名古屋場所が追加され、年6場所90日間の本場所が固定されました。
これは協会の安定的な経営が根幹にあり今日に至ってます。その他春夏秋冬の地方巡業や花相撲など、お相撲さんは意外と忙しいもんです。当然カレンダー通りとはいかず、お正月やお盆休みや家族サービス
『親の死に目にも会えない』なんてつい最近まで当たり前でした。
お相撲さんの正月は初場所が終わってからとか、ビンつけ油の匂いと共にナニワの春を運んでくる三月場所。五月場所は昔の暦で夏場所と呼び、暑い季節の名古屋は南洋場所なんて言ったりしてました。 8月の夏巡業で東北、北海道を回り真っ黒に日焼けした姿で土俵に立つ秋場所は、どこか力士も引きしまって見えたもんです。
そして皆さんご存知。11月は『一年納めの九州場所』。終わって九州一円を冬巡業して東京に帰ってくるのはクリスマス、とおおよそ一般社会とは解離した生活を過ごしてきました。 でもこれも『慣れ』なんですよね。この6場所の歯車が狂うと具合が悪いくらいです。
食事が旨いと言われる九州場所ですが、11月に福岡で食べるフグはまだ白子がなくて、やっぱり三月の大阪で食べるテッチリが最高です。