四方山話ある親方の呟き
四方山話ある親方の呟き
拾六話
親方は辛いよ①
少子高齢化は社会問題ですが大相撲はもっと深刻です。
大相撲は日本が誇る唯一無二の国技ですから、ちょんまげは武士の魂といわれた時代から変わらずに様式美を現代に繋いできました。しかしその後継者たる力士の減少に歯止めがかかりません。
大相撲は伝統文化と経済的な興行の部分と両輪で成り立ってます。しかし平成4年の若貴フィーバーを境に新弟子の入門は30年間減少を続けてます。
スカウトは大相撲の根幹です。協会も体力的な検査ルールを撤廃し更なる新弟子獲得を模索してます。
そして入門すると修行の日々が始まるのは昔も今も変わりません。
出世によって長い短いと個人差はありますが、師匠と兄弟子との生活は中学校を卒業したばかり子供には辛いものです。
そうすると高校卒業してからとか、大学行って実績を作ってからと修行を回避して入門する子が増えてきます。人数がたくさんなら分担出来ますが、そういう子ばかり入ってくると誰かに負担が増えてきて、結果的に辞めて人数が減る負のスパイラルです。
しかし厳しい生活と稽古の修行しながら本場所の土俵に立ちます。
夢と希望を抱いてせっかく入門したのに雑用が嫌で辞めるのは虚しいものです。
弱肉強食な競争力のある環境が理想なんですが親の心子知らずを痛感する日々。
弟子の出世は師匠の喜びです。
いつか苦労が報われると信じて指導するしかないのですからね。